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新しいポジションに就きました

一昨日、東京大学医科学研究所国際粘膜ワクチンセンターの特任准教授を拝命致しました。
身の引き締まる思いもありますが、何事もできる限り自然体で行えるようにと思っています。
ただ、これまではmanageされる側だったのが、今後はmanageする側になります。
劇的な環境の変化であり、これまでの経験では通用しない事も多々出てくる事は容易に想像できます。
しかし何事も挑戦です。
こういう挑戦するチャンスを頂けた事は、とても幸運です。
ただ、私自身は何も考えず単に幸運を待っていたわけではないです。自分の頭で考え、幸運を呼び込む努力はしたと思っています。
研究もそうですが、運は待っていても来ないです。
しっかり掴みにいく、呼び込むように考えて行動してはじめて運が見えてきますよ。
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Lab meetingにて・・・

今日のLab meetingで学生が何気なく重要なデータを発表したのですが、それを見た瞬間にエキサイトしたのが私とボスだけで、当の学生本人はその重要性を全く認識していなかったため、二人して「あなたの論文で、これが一番重要なデータなんだ!」と懇々と諭しました。
ボスは「何でもっと早く解析して、私に報告しないんだ!私だったら、FACSの前でデータを見た瞬間にエキサイトするのに!」と頭を抱えていました。
以前、私が自分の論文で最も重要だと思っていたデータ(これもFACSですが)が出た時に喜び過ぎて気分が悪くなった事があるので、この感覚は私も同じです。
まだ学生だから経験が浅いという事も確かにありますが、ただ論文もそうですが、その学生が卒業できるかどうかが決まるかもしれない(と、私は思っている)実験、結果の意味を当の本人が理解していないのは、やはり辛い。
それに私がそういう感覚を持ったのは、まだ論文を持っていなかった学生の時なので、単なる経験だけの話ではないと私は思います。

おそらくですが、普段から論文を「このデータがなかったら、このJournalには載らなかっただろうな」とか、「このランクのJournalなら、こういう実験が必要だろ!何で載ってんねん!」とか「自分だったら、この実験はこうするのに」とか考えながら読む事で、そういう感覚が自然と養われるのかなと思います。
つまり論文を読む時は、単に情報を得る事だけを目的とするのではなく、「自分がReviewerになったつもりで読む」事が重要です。
たぶん、Journal clubを行う意味の一つがこれではないでしょうか?
最近、うちはPI陣が忙しくてJournal clubをやっていないので、早くもその悪影響が出てしまったのかも。

またいくつも論文を読むと、自分がターゲットとするJournalに載せるには、こういう実験をしないといけないというイメージができるはずです。
例えばImmunity誌に載せるのに、どういう実験をしないといけないのか分からずに実験をやっても、非効率だしacceptされるのは非常に難しいです。

実験は全部重要なのですが、その中でも論文がacceptになるかrejectになるかが決まる実験、Impact factorが5, 10上がる実験というのは必ず存在します。
それはEditor, Reviewerとのやりとりなどの経験だけでなく、論文を読む事でも養われます。
そして、ただ論文を読むのではなく、その読み方が重要なのだと今日の一件で感じました。

でも、そう考えると、あの場で「あなたの論文で、これが一番重要なデータなんだ!」と学生に言っても、おそらく「ああ、そうなんだ」くらいにしか受け取らないかもしれません。
教え方としては、よろしくないかもです。
うーん、あの場で学生がしっかり理解させるには、どう教えれば良いのだろうか?

アメリカで初めて薬をもらうまで

アメリカに来て2年半。
体を酷使しているにも関わらず、これまで風邪一つ引かなかったので病院や薬局のお世話にはならなかったのですが、先日、初めて病院と薬局に行きました(日本から持ってきていた、アトピー性皮膚炎の薬がきれたため)。
まず、病院で診察してもらい(ここまではすんなり)、処方箋をもらって病院の近くのドラッグストアに行ってくれと言われたので行くと、これはER cardだ、prescription cardを持って来い、もしカードがないと900ドル出してもらう事になると言われました。
どうもアメリカでは医者にかかる時にER card、薬局で薬をもらう時にprescription cardが必要なんだそうです。
私は当然Columbia Universityのhealth insuranceに加入しており、どっちも持っているはずなんですが、困った事にER cardは郵送されて持ってたのですが、prescription cardは郵送されてきておらず持っていませんでした(だからprescription cardの存在を知らなかった。保険会社の怠慢だと思われる)。
ただ、保険に入っているのに900ドルも出してられません。

この日はこの時点で諦め、後日ラボメンバーに尋ねると、このカード(ERカード)でもいけるんじゃないかな?と適当な事を言われたため、学校の一番近くのdrag store (RITE AID)に行ってカードを出すと、やはりprescription cardが必要だと。ないなら、電話してcard番号を聞けとの事。

で、Columbia Universityが加入している保険会社に電話すると(電話をかけると、最初に大体名前や生年月日などを機械に聞かれるのだが、困るのは私の英語を機械は全然聞き取ってくれない。そのため、担当者に繋ぐだけでも一苦労する。それに、電話で生年月日を言ってI’m sorry, I can’t hear.とか機械に言われるとイラッとする)、prescription cardはうちとは違う会社だから、そっちに電話しろと言われる。
もう、この時点で結構イライラしているのだが(ER cardとprescription cardが分かれている事がまず分からないし、さらに違う会社って)、とりあえず教えてもらった番号にかけ直して聞いたところ(これまた、機械に全然英語が通じず悪戦苦闘した上、ようやく担当者に繋がっても英語が聞き取れないわ、システムも分からんわで話を理解するのに非常に難儀しました)、また電話番号を渡され、drug storeの店員にその電話番号にかけもらって番号を確認してもらうように言われる。保険加入者に対し、カードが郵送されるまでの手段らしい。

これでようやく薬がもらえると思い、再度一番近くのRITE AIDに行って、ここに電話をかけてくれと言うと、そんなはずはないだとかごちゃごちゃ言われた上で、ちょっと待てと言われ、一端奥に入り出てきたかと思うと、うちにはこの薬がないから余所を当たってくれと言うや否や、さっさと奥に引っ込んでしまった。
もう二度とここに来るか!と思ったのは言う間でもないが、仕方ないので余所を探したところ、近くに小さいながらも薬に特化した薬局がある事が判明。
そちらに行って、また同じ説明をすると、あっさり了解してくれ、一時間後に念願の薬をゲットする事ができました。
ちなみに、ここはかなり丁寧に対応してくれました。
チェーン店drag storeの中にある薬局より、薬に特化した薬局の方が対応が良いのかもしれないですね。

かくして手に入れた薬はprescription card(保険)なしだと900ドル、cardありだとなんと10ドル。
1/90って・・・
アメリカでは保険に加入できずに病気の治療で破産する人もいるという噂は聞いていましたが、さもありなんという感じです。

本当にこの国は何をやるにしても、いちいち大変です。
こういう事を楽しむとまでは行かなくとも平気な人は、アメリカでもやって行ける素質があるんだろうと思います。
残念ながら、私にはその素質はどうもなさそうです。

2014年と2015年

明けましておめでとうございます。

2015年が始まりました。
去年の秋頃を境に日米から仕事が一気に舞い込み、この年末年始も仕事に追われているので年が明けた感が全くないのですが、とりあえず去年の反省と今年の目標を考えてみようと思います。

2014年を振り返ってみると、反省点としては、実験やその他の仕事が忙しく(実際、ポスドクとしてフルに実験した上で、Facultyがやるようなデスクワークもこなしているので)、異分野の論文やセミナーに触れる事がほとんどできなかったこと。
休日もほとんど仕事と実験に当てられたため、日常生活が満足に送れなかったこと。
英語の勉強ができなかったこと。
それに自分の研究に対して、もっと深く考察したかったです。
やはり自分の研究について、もっと考える時間を作らないといけないです。
また一つ一つの仕事に対して、最低一つオリジナルなアイデアを入れたいと思っていましたが、時間切れで不完全燃焼な仕事が多々ありました。
今年はいかに効率良く集中的に実験し、その他の仕事もいかに深く早くこなせるかが重要です。
今年だけでなく、今後の人生の課題になるかと思いますが。

一方で、私としては昨年のうちに論文を二報世に出す事ができ、客観的に見て大変良い年になったと思います。
論文を出したという事実だけでなく、その過程に付随する様々な経験をすることでき、人間としても成長できたのではないかと思っています。
ただ、これは一年を通して徐々に成長してきた訳で、論文が出た瞬間に一気に成長したという訳ではありません。
一方、論文が出た瞬間に劇的に変わるのは、周りからの評価、私を見る目です。
人間の評価は、その人が出した結果に寄るところがほとんどと言って良いと思います。
そのため、科学界における結果である論文が出ていなかった私は、非常に苦しい立場で研究を続けていました(年齢的にもギリギリではなかったでしょうか)。
中には、論文が出る前から私を気にかけて下さっていた先生もおられますが、それはその先生に特別な予知能力があるためで、一般的には結果で人を判断する場合がほとんどだと思います。
有難い事に論文が出た後は相応(以上?)の評価をいただき、今後はもっと頑張ろうという気になっています。

周りからの評価が変わると、必然的に私を取り巻く環境が変化します。
例えば、思いもよらないようなハイレベルな共同研究の依頼が来たり。
ようやく研究における正のサイクルに乗った感覚があるので、これからは、このサイクルをできるだけ速く回転させ、より大きなサイクルに成長させる事が重要だと思っています。
他にも、全く面識のない方が論文を通して私の事を知っていたりしました。
非常に嬉しいのですが、私の発言や行動にもより大きな責任を伴うように感じています。
ただ、だからと言って口をつぐんでしまうのではなく、よりレベルの高い言動ができるよう自分を高めていけるように、努力を続けようと思います。

周りはどのように見ているか分かりませんが、個人的には今の現状に全く満足していません。
昨年の二つの論文は自分の中では重要な研究を発表する事ができたと思っていますが、もっと突出した研究をやりたいという気持ちが今は非常に強い。
近場で言えば、うちのbossの「RorgtがTh17細胞分化を制御している」というCell(Ivanov II, et al. Cell. 2006 Sep 22;126(6):1121-33)のような、引用回数が2000を軽く超えるような研究をやりたい。
一足飛びにそのような突出した研究ができる訳はなく、常に重要な研究に身を置き、さらにその中から突出した研究を見つけ出さないといけません。
簡単でないのは百も承知ですが、それができるかどうかが真の実力かもしれないと最近は思っています。

2015年は慌ただしい年になりそうです。
残念ながら、休んでいる暇はありません。
今年こそ、本当の正念場です。
しっかり足元を確認し、一歩一歩踏みしめないと、吹き飛ばされるかもしれません。
ただ、そんな嵐の中に身をおけるのも一興。
平穏無事な人生など、元から望んでいません。
前進するのだけで必死なのは、これまでもこれからも同じ。
超えてきた修羅場の数は、その人の実力と存在価値に比例すると思っています。
目の前の課題を一つ一つ確実にこなし、そして2015年が終わった時に、自分がどれだけ成長できたか振り返るのが非常に楽しみです。

四苦八苦

この秋から、ローテションでうちのラボに一人の学生がやってきました。
シカゴ大学医学部を卒業してコロンビア大の大学院に入ってきた子ですが、今までお目にかかった事がないくらいの頭脳です。
天才と言って良いでしょう。
私はもとより、うちのボスとも平気で最先端の研究の議論をしています(私やボスが焦るような、鋭い指摘も多くしてきます)。
コロンビア大の学生はいわゆるsmartな子が多く、普通にアメリカで研究者としてやっていけるだろうなという子がゴロゴロいる訳ですが、その中でも彼は飛び抜けています。
ローテーションに来たばかりで、もちろん実験の腕などは全然ですが、現在の研究に対するモチベーションを維持し、実験の腕が上がると将来は大物になる可能性を持っているな、と感じます。

性格はかなり尖がっており、日本ではなかなかいないタイプです。
アメリカ人ぽく1ミリも物怖じせず、常に何か考えており、スキあらば議論を仕掛けてくるタイプですが、議論の内容が自分本位ではなく論理的で非常に的を得ていますし(ここが本物だと感じるポイント)、こちらが論理的に説明すると意外と素直に受け入れる事ができます(主張、反論はしますが、アジャストもできる)。
また無理に自分を誇張する感じもなく自然体である上、物事を人任せにせず興味を持って自分で勉強も実験もしようとするので、伸びそうな感じがします。
少々話しが過ぎるところ、頭でっかちなところや、実験を見ていて運動神経が少々弱そうかな(運動神経が良いと実験が上手な場合も多い)とも思うところもありますが、これほどレベルの高い学生には、なかなかお目にかからないでしょう(大方の予想通り、彼はJewishです)。

なぜ一人の学生をこんなに詳しく語るかというと、うちのボスは何を血迷ったのか、私にそのローテーションの学生を指導させているのです。
おそらく他のポスドク、学生だと彼の面倒を見切れないので、消去法で私になったのだろうと思いますが、私にとっては大きな楽しみであると同時に、相当大変な作業でもあります。
まず英語が不自由なので会話するだけでも四苦八苦なのに、おかまいなく細部まで深く突っ込んでくるので大変です(ちなみに、詭弁は全く通用しません)。
あの強面のうちのボスが「ゴッチ、大変だと思うけど、あいつの面倒をみてやってくれんか」とお願いしてくるのですから、周りもそれを十分分かっているんですけどね。
まあ、これもアメリカでしか経験できないだろうと思いますし、三カ月間だけなので私の経験値を上げるためにもしっかり教えます。
毎日の自分の研究に加え、彼も教えつつ、実は秋以降、日本からも殺人的な数の仕事が舞い込んでいるので、現在ちょっと溺れかけですが何とか踏ん張っております。

それにしても、こちらでは人間の皮を被った化物じゃないか?と思うような人に遭遇します。
世界は広い。
日本から出た事がない人は、一度外に出てみた方が良いですよ(これで何度目の勧誘だろう?)。
プロフィール

y.gocchi

Author:y.gocchi
後藤 義幸:
大学院博士課程を卒業し、現在免疫学研究者(一応)として日々研鑽を積んでいる。30歳を機に、ブログを始める事を決意。実家は姫路城の近く。かなりコアな阪神ファンでもある。

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